【コラム】増える道東への移住を検討されるお客様。
- fujiken32
- 10月6日
- 読了時間: 5分
「都会の喧騒に疲れ、老後はのんびりと暮らしたい。」
「テレワークが普及し、東京にあえて住んでいなくても困らないから。」
「海や川、山などの自然が豊かな環境で好きなことをして生きていきたい。」
上記は、実際に当社にご相談いただいたお客様のお問合せ内容の一部です。
この2~3年で、道東への移住を検討されるお客様の数が増えてきています。都会には少ない自然の数々。その魅力が、移住をしたいという気持ちにさせるのかもしれません。
しかし、理想だけを思い描いていては、人生で大きな決断となる移住も「移住なんてしなければよかった、、、」と後悔してしまうかもしれません。
本コラムでは、道東への移住についての懸念点を、あえて取り上げていきます。
▶お客様へ必ずお伝えしている道東移住の懸念点
①冬場の過酷な環境
→北海道といえば四季がはっきりと分かれており、四季ごとに魅せる自然の美しさは大変魅力的です。そんな美しい自然が、時に過酷な環境になることもあるのです。それが冬場の雪です。
チラチラと静かに降っている雪はとてもきれいなものです。生まれてから30年(笑)北海道に住んでいる筆者も、夜にしんしんと降り積もっていく雪景色を眺めるのがとても大好きです。
しかし、そこに強い風が吹いたらどうでしょう?
暴風雪となるのです。車の運転をしているときは前が見えなくなることもあり、道路の側溝に車が落ちていることも珍しくありません。
また、当社のある標津町や隣町の中標津町では、一晩で100㎝の雪が降る恐れのある区域に指定されています。あたたかい布団が恋しいこの季節に、いつもよりも早く起きて、朝から何時間も家の前を除雪しなければなりません。そして、最も危険なのが、屋根の雪下ろし、または屋根からの落雪による死亡事故が毎年必ず発生していることです。
三角屋根の住宅であっても、屋根の経年劣化により、滑りが悪くなり、勝手に落ちてこなくなることもあります。その際に、ご自身で屋根に上がって雪下ろしをされる方がいたり、屋根の下から屋根をつついて雪を下ろす方もおりますが、これは大変危険な行動です。
冬ならではのアクティビティが楽しめる一方で、危険と隣り合わせになるのも事実です。
②あたりまえにあったものがなくなる
→あたりまえにあった大型ショッピングモールや娯楽施設、公共機関が数少なくなります。筆者自身、札幌から道東へ移住してきましたが、わかっていたこととはいえ、引越しをしてきた当初は戸惑いが隠せませんでした。
たとえば「この映画観に行きたいな」と思っても、車で1時間半かけなければならないのです。1時間半かけて行くかと聞かれれば、億劫になってしまうのが普通かと思います。その結果、家に引きこもってしまう可能性もありますよね。
また、ご年齢を重ねた方であれば、病院が近くにないのは大きな心配事ではないでしょうか。専門的な手術が必要になった場合、札幌で手術を受けてくるという方のお話もよく聞きます。そうなると、ご自身で移動できるのであれば良いですが、緊急時はそうはいきません。
③田舎ならではのしがらみ
→標津町や中標津町では、よく言えばだれに対してもフレンドリーな方が都会よりも多いです。ただ、都会に住んでいた方にとっては、それがかえってストレスに感じてしまう方もいるでしょう。長く住めば住むほど、どこに出かけても知り合いに会ったり、すれ違ったりすることが多くなります。都会では、良くも悪くも他人に対して無関心な方が多いですが、田舎ではそうではない方が多くなるのも事実です。
▶筆者自身は移住してどう思っている?
道東へ移住してきて早いもので丸4年が経過しましたが、私は「移住してよかったな」と感じています。
というのも、私には明確な理由がありました。「ゴールデンレトリバーを飼いたい」という夢を大学生の頃から抱えていたからです。
当初は札幌から出るつもりは正直ありませんでした。
ただ、札幌で今と同じ不動産の仕事をしていた時に、年々上昇する札幌市内の不動産相場をみた時に、「家を買える日なんてくるのかな」と思ったのです。小型犬であれば、賃貸でも今どきは飼えるお部屋が増えていますが、大型犬はそうはいきません(あったとしても家賃がすごく高い)。
仮に家を買うことができて犬を飼えたとしても、この仕事量で、犬と遊んだり、散歩をしに行ったり、そういったお世話を自分ができるのか?妻にまかせっきりになってしまわないか、自分の夢は叶えられても妻の夢を叶えることはできるのか、など多くの不安を感じました。
それからいろいろと考えたうえで、夫婦共に夢を叶えるために妻の地元である道東への移住を決断しました。
その結果、移住してから2年でドッグラン付きの家を建て、念願であったゴールデンレトリバーをお迎えすることができました。
今では、道東に移住してきてから見つけた新しい趣味であるキャンプを、愛犬と妻と楽しみながら生活しています。また、愛犬を迎えたことによってできた友人、犬友の方々もいます。
「プライベートを楽しむことができているから、仕事も頑張れる。仕事を頑張って、お給料につながり、そのおかげでキャンプや旅行など、プライベートを充実させられている。」と良い循環になっているなと感じています。
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